
医療法人の99%以上は社団医療法人であるため社団たる医療法人の機関設計について整理してみたいと思います。
社団医療法人では、最高意思決定機関である「社員総会」と経営の執行機関である「理事会」の設置、そして理事会を構成する「理事」、監査機関として「監事」の選任が必要となります。
医療法人は医療法に基づき設立された法人ですので、機関設計についても医療法で定められています。
医療法 第46条の2
社団たる医療法人は、社員総会、理事、理事会及び監事を置かなければならない。
本日は医療法人の役員について確認したいと思います。
医療法人の役員
医療法人は理事3人以上と監事1人以上を置かなければならないことになっています。
理事とは一般法人でいうところの取締役、監事は監査役と思っていただければ。
以前は特例で理事2名も認められていましたが、長崎県の場合、認可申請時には必ず3名を求められます。
医療法人の役員は、社員総会の決議によって選任します。
役員の任期については2年を超えることはできませんが再任はできます。
定款で、補欠により就任した役員の任期を前任者の残任期間と定めることができ、役員の入れ替わりがあっても、他の役員と任期を揃えることができます。
理事
法人が開設するすべての病院、診療所または介護老人保健施設の管理者は、理事に加えなければなりません。
管理者である理事は、管理者の職を退いたときは理事の職も失います。ただし、理事への再任を妨げるものではありません。
監事
監事は、当該医療法人の理事又は職員を兼ねてはなりません。
長崎県においては、理事長と一親等の血族、配偶者及び兄弟姉妹は望ましくないとされています。
理事と同様、医療法人と経営上利害関係のあるメディカルサービス法人等の役員も適当ではありません。また、役員個人の顧問の税理士や理事長と従属的な関係がある人も望ましくありません。
理事・監事の報酬等
報酬等は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定めます。
定款または社員総会においては、報酬等の総額を定めることで足り、理事が複数いる場合における理事それぞれの報酬等の額を、その総額の範囲内で理事会の決議によって定めることもできます。
監事が2人以上ある場合も同様で、上記の報酬等の範囲内において、監事の協議によって定めます。
理事長
理事のうち1人を理事長とします。
理事長は、株式会社の「代表取締役」に相当する立場です。原則、理事長は医師又は歯科医師である理事から選出されます。
理事長は、医療法人を代表し業務に関する一切の権限を有します。
医療法人は、理事長がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負います。
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医療法人の役員について
医療法人の役員について、ご質問をいただくこともあります。 どういう人がなれるなれないとか。 本日は医療法人の役員について、簡単に書いてみます。 ...
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■編集後記
昨日は午後から面談1件。
いいお話を聞きました。
どのような選択となるか楽しみです。