会計・経理

本来、年末支払いになる利息を未払計上しない理由

昨日は延長となっていた所得税の確定申告の期限でした。

私は3月中に終わっておりましたが、期限が延長となると少し間延びしてしまい、お客様からの資料も幾分遅くなるような気がいたします。

来年は例年通りの期限となる状況であることを願います。

 

先日、同じ部署の方たちと、個人事業のお客様の処理で未払計上するものとしないものについての話になりました。

その中で、本来月末付近で引き落としになる銀行への借入金返済については、営業日の関係で翌年1月4日とかに支払いになることがほとんどです。

このような場合に利息を未払計上しないケースが多いと思いますが、実際は借入金の利息は未払計上するものとしないもの両方が存在します。

 

本日は、その違いについて記事にしたいと思います。

 

未払計上できるのは後払いの利息のみ

結論から言うと、未払計上できるのは、利息が後払いの場合に限ります。

利息が先払い?後払い?などと普段あまり意識することはないと思いますが、どうやら事業用のものについては一般的に先払いが多いようです。

ですので、本来12月末に支払うはずの利息を1月4日に支払いになったとしても、支払った利息は1月4日から1月末の期間に対応するものですから、当然、12月分として未払計上することができないわけです。

 

先払い後払いの見分け方

おそらく契約書を細かくみてみると記載があるとは思いますが、実務上は返済予定表と最初の計算書ぐらいしか確認しないかもしれません。

処理はそれで事足りますので。

 

では、どうやって見分けるかと言うと、金融機関によっては、返済予定表に後払い・先払いの記載がある場合がありますので、まずは記載があるか確認してみましょう。

 

いくつかの返済予定表を見た限りですと、何となくですが、元金均等返済は先払いが多く、元利均等返済は後払いが多い印象があります。

 

元金均等返済の返済予定表

 

元利均等返済の返済予定表(写真のデータしかなく、荒い画像ですみません)

 

先払い・後払いの記載がない場合には、利息日数の表示があるか確認してみましょう。

この返済予定表は元金据置となっておりますが、元金均等のものです

例えば、一番上の1月4日のところは、27日となっておりますが、これは1月4日から1月31日までの日数。1月31日の29日は、同様に2月29日までの日数となっていることがわかります。

この場合は、対応期間から先払いの利息ということがわかります。

個人事業の方で、未払計上をしないケースが多いのは、元金均等返済のほうが多いからかもしれませんね。

 

当然、約定がどうなってるかで違うとは思いますので、このような記載がない場合は契約がどうなっているか確認してみましょう。

 

支払利息の未払計上の可否について、参考になれば幸いです。

 

.

税金ほか

税金は納付書で納付していない

  以前記事にしたこともありますが、個人的には納付書での納付については、どちらかというとデメリットを感じております。 あくまで私が感じているデメリットではありますが、いくつかあげてみます。     納付書の準備 かなり個人的な理由ですが、例えば手書きで準備する必要がある場合、納付書に記載するのはやや緊張します。ソフトで準備することもできますが、一定の加工が必要だったりするので、それも手間に感じてしまいます。 そんなこともあり、独立後のお客様の税金納付については、ダイレクト納付 ...

ReadMore

税金ほか

同一生計配偶者となっている人の源泉徴収票の記載について

  2024年分における所得税については、その人のその年分の所得税額から特別税額控除額を控除することになっています(定額減税)。   定額減税額は、納税者本人について3万円、所得税法上の同一生計配偶者または扶養親族を有する人については、扶養親族1人につき3万円を加算した金額とすると定められています。   同一生計配偶者となっている人については、2024年分の合計所得金額が48万円以下なので、源泉徴収税額は発生しません。   この同一生計配偶者となっている本人について ...

ReadMore

税金ほか

償却資産申告書 提出後に誤りに気づいた場合

  1月末提出の手続きで償却資産の申告があります。 提出してしまった後に、誤りや漏れに気付くこともあるかもしれません。 その場合の手続きについて確認してみたいと思います。   同じ1月末提出の手続きに法定調書合計表がありますが、e-Taxで送信している場合、訂正については、訂正前のデータで「無効分」を作成し、訂正後の内容を入力した法定調書合計表と併せて送信することになります。 訂正ではなく、追加である場合については、追加する法定調書と法定調書合計表を作成・送信することになりますが、その ...

ReadMore

税金ほか

所得税の確定申告 誤りの多い事例(所得控除関係)

  国税庁のホームページにも、所得税の確定申告において、誤りが多い事例がピックアップされています。   以前、収入・所得関係について記事にしましたが、今回は所得控除について、いくつか確認してみたいと思います。   医療費控除の計算誤り 例)高額療養費や出産一時金、生命保険会社からの入院給付金など、医療費補填される金額の控除漏れ   寄附金控除の適用漏れ(ふるさと納税を行った方) 例)ふるさと納税ワンストップ特例の適用についての申請をしている方が、確定申告を行う場合の ...

ReadMore

税金ほか

郵便切手や印紙を金券ショップに売却した場合の消費税の取り扱い

  消費税の法律では、国内において行われる資産の譲渡等のうち、一定のものについては、消費税を課さない(非課税)と定められています。       その中の1つに、「日本郵便株式会社等が行う郵便切手類の譲渡、法令に定める印紙の売渡し場所における印紙の譲渡」という規定ありますが、この規定により消費税が非課税とされる郵便切手類または印紙の譲渡は、日本郵便株式会社等が行う郵便切手類または印紙の譲渡に限られています。   なので、これら以外の場所、例えば金券ショップに ...

ReadMore

ライフ

久しぶりにソロツーリング

  久しぶりにソロツーリングしてきました。 妻は、寒そうだから、、と言うので、、 今年初ツーリングはソロツーリングになりました。   合間の時間でちょっとだけ行こうかな、という感じだったので、いつものルート(251ツーリング)を少しだけ走っただけですが、楽しい時間でした。 気温ほどの寒さは感じませんでした。 その旨、一応妻にも伝えました。     冬ツーリングの装備は、昨シーズンにある程度整えているので、長崎の冬であればほぼ対応できそうです(雪の日は乗りませんので) ...

ReadMore

税金ほか

法定調書のe-Tax等による提出義務化(2027年以降)について

  法定調書とは、法律で定められている税務署へ提出する書類の総称です。 一番馴染みがあるものは、「給与所得の源泉徴収票」でしょうね。   2021年以降、法定調書の種類ごとに、前々年に提出すべきであった当該法定調書の枚数が「100枚以上」であるものについては、e-Tax又はCD・DVDなどの光ディスク等による提出が必要となっています。   これが2027年(令和9年)以後の提出については、法定調書の種類ごとに、当該法定調書の枚数が「30枚以上」であるものに変更になります。 & ...

ReadMore

税金ほか

通勤手当の非課税限度額と消費税(仕入税額控除)について

  通勤手当とは、従業員の通勤に対して支給する手当のことです。 現状は通勤手段ごとに決まった金額までは所得税が非課税とされています。 ときどき通勤手当は全額非課税と勘違いされているケースもあるので、ご注意いただければと思います。   マイカーや自転車で通勤する方への通勤手当については、通勤距離に応じて1ヶ月間の非課税限度額が定められています。   電車やバスなどの公共交通機関を利用して通勤する方への通勤手当については、1ヶ月あたり15万円までが非課税となります。 非課税となる ...

ReadMore

  • この記事を書いた人

平川吉輝

税理士、AFP
1979年8月13日生、45歳。
長崎県長崎市在住。
2021年2月1日から日々更新中。

-会計・経理