会計・経理

初心者向け月次残高試算表(ざっくり)チェックするポイント

経理・会計の初心者の方向けに、月次残高試算表をざっくりとチェックする際のポイントについて、考えてみます。

 

 

 

貸借対照表

 

貸借対照表はある時点での、財政状態を明らかにするものと言われますが、財政状態?という方もいらっしゃるでしょうから、ある時点での「残高が分かる資料」ぐらいで最初はいいかと思います。

運用形態とか調達源泉とか、その辺りはもう少し理解が進んでからでいいでしょう。

前述のとおり残高がわかる資料ですので、チェックする際のポイントはまず「残高」です。

わかりやすいのは、現金や預金でしょうか。

特に預金については、通帳で残高が確認できますので、それと帳簿の残高が一致しているかをチェックすることできます。通帳をみるだけなので簡単です。

その他についても、基本的には「あるべき残高になっているか」がざっくりチェックする際のポイントです。

マイナス残高になっていないか(現金は基本プラス残高のはず)。
ないはずの残高があったりしないか。
売掛金はサイト通り残っているか(翌月入金とかであれば、1ヶ月分が残っているはず)。

 

残高をざっくりチェックしたら、次は「動き」を確認します。

具体的には、借方・貸方(真ん中部分の左右)の動きをみます。

毎月動きがあるはずの勘定科目に動きがあるか。
動きがないはずの科目に数字があったりしないか。
残高が増え過ぎている科目はないか。
など。

 

 

損益計算書

 

次は損益計算書について。

こちらは、「儲けた・損した」がわかる家計簿みたいな資料と考えればいいかと思います。

ざっくりチェックする際は、1ヶ月の試算表より推移表といって月々が横に並んでいる資料のほうがチェックしやすいと思います。

それをタテ・ヨコそれぞれ、ざっと目を通します。

いつもより極端に金額が大きいものがないか。
いつもあるのにない、いつもないのにある。
など。

可能であれば、前期比較残高試算表を単月(1ヶ月分)・累計それぞれチェックしてみましょう。

 

まとめ

 

そんなに違うことあるの?と思われるかもしれませんが、割とエラーはあったりします。

最初は特に、ざっくりでも必ずチェックしてみましょう。

1、2分でもざっくりチェックするだけで、気付けることも多いです。

 


【編集後記】
今日は(も)粛々と確定申告。
気分転換にもなるし、ウォーキングだけは毎日実施しています。
だいぶ暖かくなってきましたね~。

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  • この記事を書いた人

平川吉輝

税理士、AFP
1979年8月13日生、44歳。
長崎県長崎市在住。
2021年2月1日から日毎日更新中。

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