独立 税金ほか

非業務用の資産を業務用に転用したときの減価償却について

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2108.htm

 

個人事業主として開業した場合に、これまでプライベートで利用していたモノを業務用として使用し始めることもあるかと思います。

例えば、自家用車を業務用の車両として使用したりするケースです。

その車両が耐用年数の全てを経過していなければ、一定の金額について「減価償却費」を事業の経費として計算することが可能です。

 

本日は、非業務用の固定資産を業務用に転用した場合の減価償却費の計算方法について、記事にしたいと思います。

 

最初に把握すべき情報について

非業務用から業務用に転用する場合に、まず非業務用として使用していた期間の減価償却費相当額(「減価の額」といいます)を計算する必要があります。

そのために必要になる情報は、

  • 資産の取得価額
  • 資産の取得時期(非業務用の期間を把握するため)

です。

これがわかっていないと計算ができません。

車両であれば購入したときの注文書があればわかると思います。

「減価の額」の計算方法

前述のとおり、非業務用の期間の減価償却費相当額のことを「減価の額」といいます。

減価償却費相当額なので、その期間について減価償却費を計算することになるのですが、このときに注意すべきポイントがいくつかあります。

耐用年数は1.5倍した年数で計算

まず、非業務用期間中の「減価の額」を計算する場合には、耐用年数を1.5倍した年数での償却率を用いて計算することになります。

新車で購入した車両(普通車)であれば、法定耐用年数は6年なのですが、この場合6年に1.5を乗じた9年に相当する償却率を使って計算します。

非業務用なので、業務用ほどハードに使わないから価値の目減りも緩やかであろうと考えてのことだと思います。

「旧定額法」で計算

そして、この計算に際しては、「旧定額法」によって計算することとされています。

これは決まっているので、たとえ「定率法」で届出していても、「定率法」での計算はできません。

簿記の勉強をされたことがあればわかりますが、「旧定額法」なので、取得価額に「0.9」を乗じる必要があります。

 

端数処理は6ヶ月で

また、非業務用の期間について、1年未満の端数がある場合には、6ヶ月未満は切り捨て、6ヶ月以上は切り上げ(+1年)とすることになっています。

 

上記を式にすると、

減価の額 = 取得価額 × 0.9 × 1.5倍した旧定額法償却率 × 非業務用期間の年数

となります。

 

未償却残高相当額の計算

その資産の取得価額から、上記で計算した「減価の額」を差し引くことで、「未償却残高」を計算することができます。

未償却残高相当額 = 資産の取得価額 ー 減価の額

 

業務用に転用したあとの減価償却費の計算

業務用に転用したあとの減価償却費の計算については、先程の「減価の額」のときと違い、その資産の取得時期・届出ごとの償却方法によって計算することになります。

また、中古資産である場合にも、「減価の額」は法定耐用年数に1.5倍したものを利用しますが、転用後については、中古資産の耐用年数を使用することもできます。

 

まとめ

例にもあげましたが、これまでプライベートで使用していた車両を事業用に転用することは、実務でもよく見るケースだと感じます。

過去すでに出金している内容ですので、経費にできるのであれば、もれなく計算して必要経費に含めていきたいですね。

 


■編集後記
昨日、前勤務先から書類が届きました。
その中で退職金に関するものも。
総務の方から、「忘れた頃に入金になるので、気長に待っていてください」
と言われていたのですが、それと比べるとだいぶ早い入金となるようです。
色々と配慮してくださったのかもしれません。。
いろんな意味で、驚きもありました、、
ありがとうございました。

税金ほか

消費税が還付となるケース

    消費税の計算方法 消費税の計算方法には2種類あります。1つが本則課税、もう1つが簡易課税です。 文字通りではありますが、本則課税は原則的な計算方法で、簡易課税は簡単な計算方法です。 本則課税はざっくり説明すると、「預かった消費税 ー 支払った消費税 = 納める消費税」という計算方法なので、売上時に預かった消費税額と仕入・経費として支払った消費税額どちらも把握する必要があります。 これに対して、簡易課税は、「売上時の消費税額 × ○%」という計算方法で納める消費税額を計算するので ...

ReadMore

税金ほか

内装工事(賃貸物件)の耐用年数

  まずは区分から 内装工事を行った場合の費用は、「建物」として処理し、法律で定められた耐用年数という一定の期間で、毎年ちょっとずつ経費処理していきます。 ただし、内装工事のなかでも、内容が設備等に該当する場合には、「建物」ではなく、「建物付属設備」という勘定科目で処理します。 建物付属設備になる主な内容は、 ・電気設備 ・給排水設備 ・冷暖房設備 など。 なので、内装工事があった場合の会計処理は、まず建物・建物付属設備の区分から始まります。 それ以外にも、器具備品、消耗品費に区分されるものもあ ...

ReadMore

税金ほか

遺産分割前の預金の引き出し

  亡くなった人の口座は凍結される 被相続人が亡くなると、銀行等の金融機関はその事実を確認した時点で口座を凍結します。 遺言があれば遺言で指定された方が引き出せますが、遺言がない場合は、相続人全員で「遺産分割協議」を行い、相続する方を決めなければ原則として引き出すことはできません。   相続預金の払戻し制度 ただ、そうなるとすぐに必要な葬式費用や当面の生活費が必要となる場合に困ります。 そこで、2019年に一定の金額までであれば、相続人の一人がお金を預けている金融機関に申し出ることで、 ...

ReadMore

税金ほか

引っ越し後の確定申告あれこれ

  確定申告時期に引っ越した場合、届出や申告書の記載についてお尋ねいただくこともあります。 少し確認してみます。 必要な届出書類 以前は引っ越し等で住所が変わる場合には、異動または変更に関する届出書を提出する必要がありましたが、数年前の税制改正によって届出書の提出は不要となり、異動または変更後の住所を申告書に記載すればよいことになりました。 ただし、個人事業主で事業所や事務所の納税地が変わる場合には、「個人事業の開業・廃業等の届出書」の提出が必要です。   申告書の提出先、記載する住所 ...

ReadMore

税金ほか

在職老齢年金制度の基準額の見直しについて(2026年4月から)

  老齢厚生年金を受給しながら働く場合については、在職老齢年金が適用されて、年金額が減額されることになっています。   今回、年金制度改正法の施行により、2026年4月から年金が減額になる基準額が引き上げられます。   2026年3月以前は、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計が51万円を上回る場合に、支給停止となっていましたが、2026年4月以降は基本月額の合計が65万円に見直されます(65万円は2026年度の基準額で、毎年度賃金の変動に応じて改定されます)。 & ...

ReadMore

長崎

「通勤パス」のメールに気づいてなかった件

  昨日、ETCマイレージサービスに登録している人(お知らせメール希望者)向けに、「通勤パス」モニター募集のメールが届いておりました。   今回たまたま目にとまりましたが、1年前と2年前の同様のメールには気づかなかったか、スルーしていたようです。   今は通勤がない生活をしているので、自分には関係ないとフィルタリングしたのでしょうね。   昨日は無料相談の会場に向かうため、朝から通勤っぽい動きをしたからたまたま気づいたのかもしれません。   興味や関心があ ...

ReadMore

税金ほか

障害者控除、特定親族特別控除の適用可否

  障害者控除の要件 障害者控除とは、納税者自身、同一生計配偶者または扶養親族が、一定の条件(所得税法上の障害者)の場合に、一定の金額を控除できるというものです。 現行(令和7年分)の所得税における「扶養親族」とは、納税者の親族(配偶者を除く)等で、納税者本人と生計を一にする人のうち、合計所得金額が58万円以下である人をいいます。 給与所得だけの場合、年間の給与が123万円以下であれば合計所得金額58万円以下となります。 ちなみに、障害者控除は、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族の場合にお ...

ReadMore

医療機関等

2026年度診療報酬改定、個別改定項目について

  2026年度診療報酬改定について、2月13日に開催された厚生労働省・中央社会保険医療協議会の総会において答申が行われました。   今後、厚生労働省の説明資料や動画が整理された資料等として公開されるものと思いますが、現在公開されている資料からも新しい点数、施設基準等を確認することができます。   個別改定項目について 医科診療報酬点数表   それ以外にも公開されている資料がありますので、厚生労働省の以下サイトからご確認いただければと思います。 厚生労働省「中央社会 ...

ReadMore

  • この記事を書いた人

平川吉輝

税理士、AFP
1979年8月13日生、46歳。
長崎県長崎市在住。
2021年2月1日から 日毎日更新中。

-独立, 税金ほか