税理士

開業後、知らずに困ったこと(弥生会計編)

 

開業時、前事務所からお客様の引き継ぎがありました。
それに加えて、会計データ・税務ソフトのデータもいただくことができました(お客様からの依頼の元)。

他の方の開業時の話を聞く機会もありますが、スムーズにことが運ばないこともよくあるようなので、大変ありがたいことだと感じています。

 

 

 

古いバージョンを利用しているケース

会計データ、税務ソフトのデータをいただけるという状況だったので、開業前後の準備等の負担を軽減するため、どちらも同じソフトを使うことにしました。ソフトをインストールすれば、そのまま使えますので。

パソコンへのダウンロード作業はそれなりに大変ですが、1個1個手入力することを考えると、そっちのほうがいいだろうと思ったことと、最初は使い慣れたソフトのほうが手間取らずにいいかなと考えてのことです。

それはそれでよかったのですが、古いデータの使用について認識違いがあり、少々戸惑いました。。

弥生会計については、消費税も免税だったりすると、バージョンアップの必要がない場合もあり、サポート契約をせず古いバージョンを利用してるケースもあります。

 

開けるのは7バージョン前まで

弥生会計のデータは、旧バージョンについて、そのバージョンから7つ前まで開いたり、コンバートすることが可能です。

それは知っていたので、古いバージョンを利用しているお客様については、そのバージョンが開ける旧バージョンをインストールすれば、事足りると思っていました。

税務ソフトの達人は、過去のバージョンもダウンロード可能です。
1年単位のデータなので、当然なのかもしれませんが、同じような感覚で、、

ですが、これが間違いでした。

PAP会員なら古いデータもダウンロードできると思っていたのですが、会員になったときにリリースされている最新バージョンからライセンス認証できるとのこと。
旧バージョンをライセンス認証できない仕組みのようです。

 

旧バージョンのダウンロード

自分で開いて確認するだけなら、旧バージョンをダウンロードして、開いて最新バージョンにコンバートすることで利用可能です。
ライセンス認証しなくても、30日間は利用することができます。

ただ、今回のケースはお客様自身が入力するので、これでは対応できません。

「何も変えなくて大丈夫です」とお伝えしていたのですが、いきなり会計ソフトを最新バージョンに変えていただくことになってしまいました。

お手間をかけて申し訳なかったですが、いい勉強になりました。。
今後に活かしていきたいと思います。

 


■編集後記
とある仕事の依頼を受けることにしました。
時期がもう少し先なので、ちょっとずつ準備を進めたいと思います。

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  • この記事を書いた人

平川吉輝

税理士、AFP
1979年8月13日生、45歳。
長崎県長崎市在住。
2021年2月1日から日々更新中。

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