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措置法26条 検討する際の注意点

 

 

措置法26条とは

租税特別措置法(措置法)26条は、「医師優遇税制」とも呼ばれ、適用条件を満たしていれば、社会保険診療に係る実際の経費の額にかかわらず、一定の計算式により経費の金額を算出することが可能となります。事前の届出等は必要がなく、確定申告時に選択することができます。

  1. 医師又は歯科医業を営む個人である
  2. 年間の事業所得の総収入の合計額が7,000万円以下、かつ、社会保険診療報酬が5,000万円以下である

上記1、2に該当する事業者が適用事業者となります。

 

検討する際の注意事項

検討するうえでの注意事項をいくつか列挙してみます。

  • 医療保険収入(介護保険収入含む)が5,000万円を1円でも超えると適用不可。
  • 措置法26条を適用しないで申告した場合、更正の請求や修正申告での変更は認められない。
  • 措置法26条を選択した場合、特定の機械装置等を取得しても特別償却費等を必要経費に参入することができない(重複して計上することを排除するもの、税額控除は可)。
  • 措置法の選択が有利である場合には、専従者給与を停止した方が有利になるが、所得税だけでなく将来の相続・贈与対策まで視野にいれて計画する必要がある。

 

ちなみに措置法は、医療法人にも設けられていますが(措置法67条)、実務上は適用は稀ですね。

 

あと、この際の専従者給与の検討については、いくつかの論点がありますので、改めて記事にしたいと思います。

 

 


■編集後記
昨日は会食(家族で参加)後、駅付近のホテルに家族で宿泊。
朝食会場で、十数年ぶりにある方と遭遇。
相変わらずの眼力(顔力?)でした。
お元気そうで何よりです。

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  • この記事を書いた人

平川吉輝

税理士、AFP
1979年8月13日生、45歳。
長崎県長崎市在住。
2021年2月1日から日々更新中。

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