独立 税金ほか

個人事業主の開業費について

 

以前、記事にしたこともありますが、最近お尋ねいただく機会がありましたので、再度確認してみたいと思います。

参考開業前にかかった費用について|個人事業主の開業費

現在、開業にむけて少しずつ準備を進めております。 その中には、色々と、出費を伴うものも。。   私は個人事業主として開業の準備を進めておりますが、開業のために必要な支出のことを「開業費」とい ...

続きを見る

 

 

個人事業主の開業費

 

法人(会社)の場合、開業のために「特別に支出した費用」とやや限定的な部分もあります。

個人事業の場合、開業前に開業準備のために「特別に支出する費用」と、同じような定義がありますが、ある程度広い範囲が開業費に含まれます。

 

開業費に含まれないもの

 

開業前の支出でも、次のようなものは開業費に含めることができません。

  • 10万円以上のモノ
  • 後で帰ってくる敷金・礼金
  • 仕入代金

10万円以上のモノは、原則として固定資産になります。

参考10万円以上の「モノ」を買ったときの会計処理

先日、フリーランスの方から、「15万円のパソコンを購入したんだけど、会計処理はどうなりますか?」とのご質問がありましたので、10万円以上の「モノ」を購入したときの会計処理について記事にしたいと思います ...

続きを見る

 

開業費のメリット

 

開業費(繰延資産)には開業費特有のメリットがあります。

開業費などの繰延資産は、60ヶ月での均等償却が原則の処理なのですが、税務上は任意償却となっています。

繰延資産の金額の範囲内の金額が償却費と認められており、また、その下限が設けられておりませんので、全額償却でもまったく償却しなくてもよいということになります。

そして、原則が60ヶ月の均等償却だからといって、60ヶ月以内に償却しないといけないというわけでもありません。

金額の範囲内であれば、償却する金額も、時期も任意に決めてよいことになります。

 

なので、年によって税率の差があるとすれば、高いタイミングで償却するほうが節税効果が大きくなります。

所得税は累進課税なので、使い所を選べるのはメリットだと思います。

 

 


【編集後記】
昨日は決算報告、それ以外は月次・決算処理。
とある資料の請求。

 

税金ほか

家事関連費の按分処理の方法について

プライベート上の費用(家事費)は必要経費とはなりません。 ただ、個人事業の場合には、1つの支出が家事上・業務上の両方に関わるものがあります。 このような費用を家事関連費といいます。   家事関連費のうち必要経費になるのは、業務遂行上必要なもので、その必要な部分を明らかに区分できるその区分できる金額に限られます。 明らかに区分というのは、何かしら合理的な基準で按分するということですね。 業務に必要な部分を按分して、必要経費に反映することになりますが、会計ソフト等への入力方法についてお尋ねいただくこ ...

ReadMore

税金ほか

所得税の納税地の異動・変更の手続について

  納税地に異動があったとき、変更したいというとき、以前は異動又は変更の届出が必要でしたが、改正により、届出書の提出が不要となっています。   異動または変更があった場合の手続は、以下のとおり。 納税地の異動がある場合・・・異動後の納税地を申告書に記載 納税地の変更を行う場合・・・変更後の納税地を申告書に記載 つまり、申告書に記載さえすれば済みます。   年の途中で納税地の異動または変更を行う場合、各種送付文書の送付先の変更を要するときは、「所得税・消費税の納税地の異動又は変 ...

ReadMore

税金ほか

公的年金等の申告不要制度について

  公的年金等の受給者で、一定の場合には確定申告が省略できる制度があります。 公的年金等に係る「確定申告不要制度」と呼ばれるものですが、年金受給者の確定申告手続きに伴う事務負担を減らすために、設けられた制度です。   聞いたことがあるけど、どういった場合に省略できるかわからないという方もいらっしゃると思いますので(お尋ねいただくこともあるので)、確定申告が不要となる方の条件について確認してみたいと思います。     確定申告不要制度の対象者(以下全てに該当する場合) ...

ReadMore

税金ほか

不動産所得の事業的規模、業務的規模 規模による違いなど

  不動産所得はその貸付規模によって「事業的規模」か「業務的規模」に区分され、税務上の取り扱いがそれぞれ異なります。   その判定は「社会通念上事業と称するに至るかどうか」という基準で判定すべきとされています。 「社会通念上」。。   実際のところ「社会通念上」で判定するのは難しいことが多いので、実務的には形式的な基準で判定することがほとんどです。   形式基準は下記のとおり。 一戸建て 概ね5棟以上 貸間、賃貸住宅(アパート等) 独立した室数が概ね10室以上 いわ ...

ReadMore

投資・節約・お金 税金ほか

一般口座で売却した株式の取得価額について

    特定口座であれば、年間の取引報告書があるので、取得価額を調べたりする必要はありませんが、一般口座で売却した株式の場合、取得価額の確認は別の方法に拠る必要があります。   取引報告書 注文した際の発行される書面(電子交付の場合は、過去5年間確認できます。)   顧客勘定元帳 取引記録が記載された書類 過去10年間までを月単位で指定し発行することが可能です。   本人の手控え 日記帳、預金通帳等の本人の手控えから取得価額を確認することも検討できます。 ...

ReadMore

ライフ

どんな言葉を選ぶかは、やっぱり大事だなと思った話

  「どけてもらってよかですかっ!」と、とあるシーンでおっしゃってきた人がいました。   何が九州弁(長崎弁)か区別がつかないもので、正しい表現は難しいのですが、その時のニュアンスとしては、「早くどけろ」という感じだったように思います。   結果的には、その人の勘違いだったのですが、この時間からこの場所を予約してるんだから、早く場所を空けてくれ、ということのようでした。   とある役目により、私がその場所を予約していたのですが、何があるかわかりませんので、念の為、実 ...

ReadMore

医療機関等 税理士

療養担当規則について

  保険医療機関及び保険医は、一定の基準に基づいて保険診療を行うことになっており、その基準について定めたものが「保険医療機関及び保険医療養担当規則」です。 「療養担当規則」、「療担規則」とか「療担」と言われています。 3章構成全24条で定められています。   保健医療を行う際の約束事となるものですので、従事されている方はもちろん抑えておくべき規則ですが、お客様に医療機関がある場合には税理士も抑えたほうが良い内容がありますので、少し確認してみたいと思います。   経済上の利益の ...

ReadMore

医療機関等

医療法人における各種手続きについて

  医療法人は、決算時や役員に変更があった場合など、医療法に基づいて様々な届出を行う必要があります。   毎期必要な手続き 決算届(事業報告書等) 資産総額の変更登記 登記事項変更登記完了届出(資産総額の変更登記にかかるもの)   随時必要な手続き 役員変更届 役員に関する登記(理事長のみ) 登記事項変更登記完了届出(登記事項に変更があった場合) 定款変更認可申請 定款変更届 医療法人解散届   医療法人は都道府県知事の認可法人ですので、一般法人にはない各種届出があ ...

ReadMore

  • この記事を書いた人

平川吉輝

税理士、AFP
1979年8月13日生、44歳。
長崎県長崎市在住。
2021年2月1日から日毎日更新中。

-独立, 税金ほか