税金ほか

前年中に取得した償却資産税の計算方法

事業で使っている資産がある場合には、固定資産税がかかる場合があります。

一般的に「償却資産税」と言われれますが、固定資産税のうち家屋・土地以外の事業用の資産にかかる税金です。

本日は、申告初年度において、申告した資産がどのような方法で税金の計算が行われるのか記事にしたいと思います。

 

 

 

取得月の違いは関係ない

 

償却資産の申告は、前年中(今であれば2021年中)の資産の増減について申告書に記載し市町村(都の特別区等例外あり)に提出します。

1月31日が提出期限となっています。今月中ですね。

法人税・所得税の税金を計算する際、資産を取得した場合の減価償却費については、いつ取得したかで経費になる金額が変わるので、取得時期は税金計算に影響することになります。

ですが、償却資産税については1月取得でも12月取得でも、同一資産・同一価格であればかかる税金に違いはありません。

 

前年中に取得した資産の評価額計算

 

前年中に取得した資産については、取得月にかかわらず半年分を償却したものとして評価額を計算することになっています。

例えば、取得価額100万円、耐用年数6年(減価率0.319)の資産の場合、

1,000,000円 × (1ー0.319 ×1/ 2) = 840,000円

と計算します。

 

150万円未満は課税されない

 

償却資産にかかる税率は1.4%(原則)です。

1つの市町村のすべての償却資産の評価額を合計し、1,000円未満を切り捨てた金額に対して税率を乗じて計算するのですが、評価額の合計額が150万円に満たない場合には課税されません。

なので、新しく取得した資産があったとしても、必ず税金が増えるというわけではありません。

耐用年数によって減価率が異なりますが、年々評価額は下がっていくので、資産が極端に多くなければ(最低5%は評価額として残るので、取得価額の合計が3,000万円とかでなければ)、いずれは課税されなくなります。

 

税率は1.4%と他の税金の税率と比較すると低い方ではありますが、申告漏れがあると5年ほど遡って課税されることもあります。
ご注意いただければと思います。

参考償却資産申告と事業割合

会社だけでなく、個人で事業をされている方で、事業のために使っている資産があれば、固定資産税がかかる場合もあります。   「償却資産税」と言われたりしますが、固定資産税のうち土地及び家屋以外の ...

続きを見る

10万円以上の「モノ」を買ったときの会計処理

先日、フリーランスの方から、「15万円のパソコンを購入したんだけど、会計処理はどうなりますか?」とのご質問がありましたので、10万円以上の「モノ」を購入したときの会計処理について記事にしたいと思います ...

続きを見る


■編集後記
先日の弟とのApple Watchのアクティビティ競争は引き分けだったのですが、今日終わる妻との競争は勝利できそうです。。
相手は競争している意識はないようですが、、
設定している目標が違うので、思いの外いい勝負でした。。

会計・経理 医療機関等 税金ほか

医療機関の収入に係る消費税区分について

  医療機関の収入については、保険診療報酬等は消費税が非課税となっています。 医療事業から生じる収入のすべてが消費税非課税ということではなく、収入の内容によっては、課税対象となるものもあります。 そのため、実務においては、保険診療以外の収入の課税・非課税の区分が重要となります。   非課税 保険診療以外で非課税となるものは次のようなものがあります。 自賠責収入 労災収入 助産に係る収入のうち一定のもの など   課税 次のような自由診療、付随サービスについては課税取引となりま ...

ReadMore

税金ほか

生命保険金とともに払戻しを受けた前納保険料の取り扱い(相続税)

  相続時に遺族が受け取る生命保険金は、「みなし相続財産」として、相続税の課税対象となる場合があります。   生命保険会社から生命保険金を受け取る際に、被相続人が支払った前納保険料の一部をあわせて受け取るケースもあります。   この保険金とともに受け取る前納保険料の相続税法上の取り扱いはどうなるか確認したいと思います。   相続税法上、相続や遺贈によって取得したものとみなされる保険金には、本来の保険金のほか、保険契約に基づき分配を受ける剰余金、割戻しを受ける割戻金及 ...

ReadMore

ライフ 長崎

長崎浜屋の「夏の北海道物産展」に行ってきました Part2

先週(第1弾)も行きましたが、第2弾に早速行ってきました。 今回は娘&ばあちゃんと一緒に行ってきましたよ(別の用事のついでですが)。   日曜日だから多いかな?と思ったのですが、平日・土日の差はあまりない感じがしましたね。   継続の店舗もいくつかありますが、第1弾と店舗の入れ替えもあり楽しめました。   ただ、あると思っていたコーナーがなくなっていて、やっぱり先週買っておけばよかったとやや後悔もしたり、、 店舗入れ替えのチェックがあまかったです。。   娘たちは( ...

ReadMore

医療機関等

ベースアップ評価料(Ⅰ)の届出割合、診療所は27.8%

  2024年の診療報酬改定で新設されたベースアップ評価料、開始からもうすぐ1年となります。   厚労省の資料の中でその届出状況について公表されています。   2025年3月時点の届出状況は、病院86.0%、診療所で27.8%でした。   開始当初(2024年6月)の届出がほとんどのようで、それ以降は9%増とのこと。   届出様式の簡素化が行われていますが、届出の拡大は進んでいないのが現状です。   2025年3月3日までに届出を行っている医療機 ...

ReadMore

ライフ

徳を積む、ということを考える

  ある事柄に対して、徳を積んでるから、積んでいないから、といった会話を冗談交じりに行うシーンがありました。   それ以外にも、あの人は徳を積んでる人だ、徳が高い人だ、と言われて、なんとなく納得できることもあったりしました。   「徳を積む」ということの具体的な意味はわからないのですが、きっと、なにか特別なことをしないといけないということではなくて、感謝することだったり、当たり前のことを一生懸命にやる、そういったことを日々繰り返していく中にあるものなのだろうと、考えたりします ...

ReadMore

医療機関等

医療法人の事業報告書等(決算届)を紙提出する場合の注意点

  医療法人は医療法の規定により、毎会計年度終了後3月以内に事業報告書等を都道府県知事に届け出る必要があります。   提出方法は2つあり、どちらかの方法によって提出します。 WAMNET上の医療法人経営情報データベースシステムによる電子提出(利用申請が必要) 紙媒体での提出   私は基本的にはお客様が希望する方法で提出していますが、今現在は従来の紙提出が多めです。   紙提出のケースでは、通常前会計年度に提出したデータを更新して利用するのですが、法改正等の影響がある ...

ReadMore

会計・経理 医療機関等

医療機関の税務調査での確認事項(その2)

医療機関は、課税所得が高くなる傾向にあり、税務調査の頻度は高い業種と言われています。 私は引きが強くないのか、ありがたいことにそう多くあたっておりません。   医療機関の税務調査は、保険診療が多い医療機関の場合、収入について主に確認されるのは窓口負担金に関わる部分であることを記事にしました。 ただ、支払審査機関からの振込収入について、何も疑義が生じないかというとそうではありません。 これは振込収入に限ったことではないのですが、決算時の未収金の計上についてチェックされる内容があります。 それは当期 ...

ReadMore

ライフ

娘から「きょうあつい?さむい?」と聞かれるので試してみようかと

  季節の変わり目だから仕方ないのかもしれませんが、下の娘が今日の気候について妻に尋ねてきます(ときどき私にも)。   服は何を着たらいいか、ということだと思うのですが、天気予報もあくまで予報なので天気もはっきりしませんし、服装は?となるとなかなか判断に迷います。   これで大丈夫と思って、外に出たら、やっぱり寒かったとか(で、また戻ったり)。 朝の時間は大事なので、そういったことがあるとより慌ただしく出発することになります。   つい最近でも、そういったことがあっ ...

ReadMore

  • この記事を書いた人

平川吉輝

税理士、AFP
1979年8月13日生、45歳。
長崎県長崎市在住。
2021年2月1日から 日毎日更新中。

-税金ほか